こんにちは。 大阪市旭区のいしかわ矯正歯科クリニック・非常勤歯科衛生士の松本です。
今日は『矯正治療は痛い？どんな痛み？』について書いてみようと思います。
矯正のご相談に来られる患者様やご家族の方からの『痛み』についてのご質問は、『治療費』や『治療期間』などについてよりも多いように思います。
実際、私も歯列矯正治療を社会人になってから経験しています。治療前は痛みについて不安に感じた記憶もありますので、体験談としてご説明してみますね。
私は、社会人になってから矯正治療を受けました。
矯正装置(ブラケット)が歯に接着され、そこにワイヤーを通してブラケットとワイヤーを留めた瞬間から、ワイヤーの通っている歯には押されているような…引っ張られているような…締め付けられているような…歯が浮いているような違和感を感じ始めましたが、痛みは全く感じませんでした。
その後、半日くらい経過したころから違和感を感じていた歯に力がかかる動作。。。例えば、歯に舌や指で触れてみたり、上下の歯を当てたり、コツンって何かを歯に当てたり、食べ物を噛もうとしたりすると、歯の根っこ辺りがズキンって鈍痛のような…電気が走るような…痛みを感じるようになりました。
でもね、この痛み、だいたい3日間くらいで感じなくなっていきます。また24時間痛みを感じるのではなく、歯に物を当てたり、噛みしめたりして力をかけなければ、痛みはなく、なんとなくボワ～ンと感じる違和感のみなんです。
コレが歯列矯正治療で歯を動かそうとしてかけている力に対して『歯が動き始め、動いている間に感じる痛み』なんですね。
痛みがある時は何が一番困るかっていうと『お食事』なんですよね。
歯のお仕事は、食べ物を前歯で嚙みちぎったり、奥歯で嚙みしめて食べ物を潰すことなのですから、歯に痛みが伴う3日間くらいは、痛みの強さに応じた食事メニューを組む事が痛みと付き合うコツになるのです。
前歯で噛みちぎらなくて良いサイズにカットしてから、お上品にお口に放り込めば、前歯にお仕事をさせなくて済みます。
舌と上顎で潰せるような柔らかい食べ物を選べば、奥歯で噛みしめることも少なくなります。
おうどん、パスタなどの麺類や、お米、雑炊、リゾット、ハンバーグにグラタン(←出来るだけ硬い具材がないもの)とかを選んで食べておけば大丈夫。
この痛み、3日間くらい痛みが続きますが、2回目以降の調整では、不思議なことに第1回目の時ほど痛みを感じなくなります。
私なんて、2回目以降の治療では、痛いながらも沢庵をバリバリと噛んだり、お肉やハード系のパンだってムギュッ～とゆっくり噛みしめたりして、痛みとうまく付き合いながら普通にお食事できるようになっていましたょ。
あと、毎回の調整直後の違和感の強さが痛みの強さや痛みを感じる期間に比例しますので、もしも調整直後に「きつ過ぎる」って思えば、ガマンせずにその場で先生に相談してみてくださいね。
もう少しだけ、なんとなくのイメージでの “痛みの例え” ですが、足首のねん挫などを想像してみてください。
初めて足首を捻ってケガをしたとき、歩こうと足を地面について体重をかけようとすると、涙が出そうなくらいビックリする激痛が走ります。
でも、一度「どこに、どれくらいの痛みが、どのように感じる」って経験をすると、次に足をつくときには、痛いながらもビッコを引きながら体重のかけ方がわかるようになり、ピョッコピョコと歩いてしまうのとそっくりな感じです。歯も痛みの感じを経験した後は、痛いながらも噛みしめる角度や加減がわかるようになります。
それでも、不注意でねん挫の足首を不運にもぶつけてしまうと飛び上がるくらい痛いですよね。歯も同じですから、注意してくださいね。(←私、時々、コップや歯ブラシを前歯にコツンとぶつけて “ギャッ” って叫んでました。)
こんな感じで、私自身の矯正治療を受けたときの体験を含めて治療中の痛みについて書いてみましたが、この痛みは本当に個人差が大きいです。
中には全く痛みを感じず、逆に歯が動いているか心配になる方もいらっしゃいますが、こういうパターンの方でも歯は動いていますので、ラッキーな方のです!!
一般的に、3日前後で痛みのピークが消えていくくらいの力加減を矯正の先生は加えます。
この3日間だけは、痛みと相談しながらあまり噛みしめなくても食べられる軟らかめのお食事をご家族と相談して摂ってみてくださいね。
どうしても痛みが苦手で『痛み止め薬』に頼りたい場合は、それも一つの手ですが、私は、3度の食事のコントロールで痛みと付き合う方が身体には優しいかな？とも思います。
いかがでしょうか？ 少しは痛みについてイメージできましたか？
この記事が、矯正治療を検討している患者様やご家族の方のお役に立てば嬉しいです。
ではでは今日はこの辺で。。。
