クリニックBLOG
後戻りと再発の違いについて
こんにちは。いしかわ矯正歯科クリニック院長の石川哲也です。
今日は、後戻りと再発の違いについてです。
皆さんは、「矯正治療を受けたのにまた歯並びがガタガタになってきた」などと言うことを聞かれた事があるんじゃないでしょうか?
そうです、これはよくあることなのです。
そして、これにはいろいろな理由が絡んできます。
本来、歯並びと言うものは、一生動き続けるものなのですが、それを知らない方も多いみたいです。
毎日右側ばっかりで噛み続けると、右側の歯はすり減りますし、歯も動いてきます。そして顎の形も変わってきます。考え事をする時に頬杖をつくと顎の関節に悪影響が出てくることもあります。そして、歯周病が進めば歯並びも変化します。
このように力が加われば歯並びはいとも簡単に変化するのですが、その仕組みを利用して歯を動かすのが矯正治療なのです。
さて、本題に戻ります。
例えば、受け口の方がおられたとします。小学校2年生から小学校6年生まで治療を受けられ、受け口が治りました。でも、中学3年生に受け口になりました。
これは、後戻りよりも成長による再発の可能性が高いと思います。
このような方の場合、成長期が終わるまで経過観察を続け、場合によっては追加治療が必要になる事もあり得ることを最初の検査の段階である程度予測することができます。
当院でも最初の検査の時点で全ての患者様にお伝えしています。
また、指しゃぶりや舌を突出させる癖等により上顎前突になっている場合、矯正治療が終わった後にその癖が取れていなければ症状は再発することになります。
これは、リテーナー(保定装置)を使う時間が短いために起こった後戻りとは別の原因と解釈します。
そして患者さんの中には、生まれつき歯ぎしりや食いしばりが強い方がおられます。そのような方は、矯正治療後に自らの歯ぎしりや食いしばりで歯を動かしてしまう方が多いです。下顎の前歯にガタガタが出たり、上顎の前歯が前方へ傾いたりします。これも後戻りではなく再発になります。
このような方も、最初の検査の時にある程度傾向が分かりますので、歯並びを維持するリテーナー(保定装置)を工夫をしたりしますし、患者さんにもお伝えすることになります。
いずれにせよ、もともと歯並びは一生動き続けると言う性質がありますので、きれいになった歯並びの維持方法を知って、できるだけ長期間持たせるようにしましょう。
2018年11月23日